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10月某日、愛媛県松山市。朝一番で空路、東京から松山経由で今治へ向かい、仕事を終えて夜再び松山へ戻った。松山を訪ねたのは、「坂の上の雲ミュージアム」見学のためにプライベートで出かけて以来10カ月ぶり。じゃこてん、松山鮓、鯛めし・・・松山名物はいくつか思い浮かぶが、印象は強くない。歓楽街も、あまり記憶になかった。
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松山中央商店街の一角を占め、巨大なアーケードのある大街道の左手、三番町界隈の歓楽街。当てもなく入った一軒目は、小洒落た居酒屋。旅館を改装した店構えは興味をひいたが、酒も肴もスタッフも平均点には遠く及ばず、1時間余りで退出。再び街を歩き回ると、「おむすび」の看板が目に飛び込んできた。店内中央部を占める居酒屋風のカウンターにはすし屋で見かけるネタ用冷蔵庫が設えてある。カウンター上部には、創業時に店主自ら飲酒後に食べたくなるのを基準に選んだという定番の梅・鮭から、塩辛、納豆、うにくらげに至るまで、何と36種類もの具が品書きされている。しかも具のラインアップは開店以来22年間変わっていないという。店主曰く「すし屋感覚で、飲んだ後の締めを楽しんでもらえれば・・・」。そのほかに酒肴として、塩鯖、ブリ照り焼き、だし巻き、ポテトサラダ、穴子焼きなど、簡単ではあるがどれも定食屋のような手作り感が伝わってくる。
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ビールと冷酒で酒肴を味わったあと、本命のおむすびを味わう。福島産のコシヒカリにこだわり、少量ずつ手元の保温ジャーに移してむすぶ。握り寿司を一回り大きくした俵型のおむすびは1個147円。豚汁との相性は抜群で、酒を飲んだ後でも、次々とお腹に入っていく。ちなみに小生はこの晩は、うにくらげ、山椒の実、青唐辛子味噌、明太子、卵焼き(バター風味)の5個をお腹に納めた。地方都市の歓楽街はどこも“ミニ東京”化してしまい、酒も肴も平準化が進んでいる。こうした個性的な店こそが出張族には楽しい。
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